日々のこと

2021/06/10

今後の予定

「生きる」.JPG

緊急事態宣言中ではありましたが…。「日本の美術 受賞作家展」、ギャラリー八重洲・東京にて無事終了いたしました。

お立ち寄りくださった皆さまに心からお礼申し上げますm(_ _)m

 

せっかくの受賞記念なので、できればわたしも伺いたかったのですが…。移動自粛の折ということもありましたし、

何より、平和展の作品が予定通り完成しなかったのでした(; ゚∀゚)

受賞展のお知らせもせず、制作にかかりっきりになり…。数日前に無事完成いたしました。今は燃え尽きております(; ´∀`)

 

「第29回 国際平和美術展」、国内展は7月6日(火)~10日(土)、東京芸術劇場にて開催されます。

「平和」をテーマとした美術展ということで、平和とは何か、わたしなりにいろいろと考えてみました。

平和とは、暴力がないこと、と定義した人もいますが…。突き詰めて言えば、「生きる」ことが尊ばれること、脅かされないことではないか、と思うのです。

そうして、「生きる」とは、単に生存することのみを言うのではなく、生きものがその本分を十全に発露できることだと思うのです。

たとえ生存が保障されていても、それぞれのありようが否定されているような状態では、平和とは言えないのではないでしょうか。

 

 平和展作品は、折れた桜の株を中心に作りました。

落雷にでも遭ったのでしょうか、うろになった内側は焼け焦げ、朽ち果てていますが、樹皮が生きていれば花は咲きます。若いひこばえの枝も育っています。

古い木なので、幹にはさまざまな着生植物が住み着いています。ノキシノブ、ウメノキゴケ、地衣類や苔類。

周りには草花が花を咲かせ、虫も集まります。アブラナについたあおむしが葉っぱを食べて大きくなり、蝶になります。レンゲソウでは蜜蜂が花粉集めに精を出しています。

散り際が潔いイメージのある桜ですが…。折れて枝葉を失い、朽ちてもなお、花を咲かせ、さまざまな生きものの拠りどころとなる、生にしがみつく桜の姿を表現したいと思ったのでした。

 

平和展作品、「生きる」とタイトルを付けました。直截ですが(^ ^;)

このような状況下ではありますが…。ご都合がよろしければ、ぜひ見にいらしてくださいませm(_ _)m

 

国内展の後は、9月にアメリカで海外展が開催されます。

ニューヨークのカーネギーホールにて展示される予定です(; ´∀`)

 

10月には、奈良市美術館にて行われる「美術評論とともに観る美術展~観る・読む・感じる~」に参加させていただきます。

…6月中に作品を完成させる予定です(; ゚∀゚)

 

じつは、その後…。12月にも、美術展に参加する予定なのです。

京都清水寺の圓通殿にて行われる藝展に、参加させていただくこととなったのでした(; ´∀`)

 

なんだか今年は美術展ばっかりですね(^ ^;)

イベントに参加しづらい状況なので、ちょうど良いと言えなくもないのですが…。

やっぱり、お客さまにお渡しするものを作ってこそのChi・Chiだと思うので。

6月いっぱいで観る展作品を完成させ、できれば、7月8月には販売用の作品を作ってネットショップに出したいなぁ、と思います。

がんばりますよ~(* ゚∀゚)ノ

2021/06/07

「美しい花図鑑」原稿の公開

「花図鑑」作品と原稿.JPG

「刺しゅう糸で編む 美しい花図鑑」発売からだいぶ日が経ってしまいましたが…。原稿を公開いたします。

「花図鑑」レシピ提供の経緯につきましては、以前の記事でお話しさせていただいた通りです。

同意なく材料を変更していたことももちろんですが、今回は校正・チェックを一切させていただけなかったので、原稿と食い違っている部分、勘違いと思われる部分がそのままになっています。

また、材料を変更するならそれに伴って様々なところに変更点が出てくるはずですが、そのあたりもどうも中途半端なようです。

原稿はあくまで叩き台であり、編集されることが前提で、公開するようなものではないのですが…。

書籍のほうが不完全な以上、何かのご参考になれば、と思い、公開させていただくことにしました。

 

言い訳を少し。

どちらかといえば読者のかたにではなく、編集やスタッフのかたにお伝えするつもりで書いたものなので、省略も多く、確認されることが前提の分かりづらいものとなっております。

そもそも、編み図の書き方など習ったこともないので、見よう見まねでそれらしく書いただけですし…。

本来であればそれを伝わりやすいように書き直すのが編集のお仕事のはずなのですが、今回は機能しなかったので…。

元の原稿を公開したほうがまだマシなのでは、と思い。

ご質問などございましたら、どうぞお気軽にお問い合わせくださいませm(_ _)m

 

 

〇編みかた注意

ページ1 編みかた注意.jpg

刺しゅう糸の扱いかたや、編み図の表記、分かりにくい編み目記号などについて補足しています。

書いてありますように、最後の仕上げはアイロン用スプレー糊(アイロン用キーピング)をかけ、手で形を整えます。

仕上がりに差が出る大事な工程です。びしょびしょになるくらいまでかけるので…。紙を巻いたワイヤーをあまり使いたくないのはそのせいです(^ ^;)

書籍では吹きかけるだけとなっていますが、かけたあと、濡れた状態でしっかりと形を整えることできれいに仕上がります。

 

〇すずらん

すずらん.JPG

ページ2 すずらん編みかた.jpgページ3 すずらん編み図.jpg

葉っぱにワイヤーを付ける工程が、水仙、こでまりにも出てきますが、全部同じなのでここでしか説明していません。

省略できるところは省略しようと思い…。すずらん参照としています(; ´∀`)

作り目のくさりの裏山を編み残し、とじ針を使ってワイヤーと巻き付けていきます。

「野の花コサージュ」と同じ作りかたですが、編みはじめの糸端を残して使っています(糸端の始末が減ります)。

最初に折ったワイヤーの間に通すことになっていますが、そうしないと巻いた後でワイヤーを引っ張ると抜けてしまうからです。書籍では一目ごとに間に挟んでいるような図になっていますが、なぜそうしているのかは分かりません。

 

〇水仙

水仙.JPG

ページ4 水仙編みかた.jpgページ5 水仙編み図.jpg

白いほうは日本水仙、黄いろいほうはガーデンジャイアントのつもりです。

ガーデンジャイアントの大きな花びらを編むために、とてもややこしい編みかたをしています。最初の編みかた注意のページで詳しく説明していますが、Y字編みと2目一度を組み合わせたような編みかたです。

 

〇花桃

花桃.JPG

ページ6 花桃編みかた.jpgページ7 花桃編み図.jpg

花びらが丸まりがちなので、仕上げの糊は特に重要です。

葉っぱは糸端をわに通して固定するだけになっていますが、巻きが緩いと緩んでしまうので、縫い付けたほうが丈夫になるかもしれません。

 

〇こでまり

こでまり.JPG

ページ8 こでまり編みかた.jpgページ9 こでまり編み図.jpg

 おしべは花桃と同じです。書籍の写真説明では一回巻きの玉結びを2つ作っていますが、図の通り2回巻きの玉結びです。

 頭になる糸(235)を針に通して作ったほうが作りやすいかもしれません。

 

―― ※ ※ ※ ――

 

地巻きワイヤー検証.JPG

今回、「他の作家さんがたとの兼ね合い」ということで、同意もなくステンレス製カラーワイヤーがフラワー用ワイヤーに変更されてしまったわけですが…。

実際、他の作家さんがたはフラワー用地巻きワイヤーを使っているようなので、そちらのほうが一般的な材料なのかもしれません。

Chi・Chiはふだん地巻きワイヤーを使いませんが、食わず嫌いも良くないので、#30 の地巻きワイヤーを買ってきて検証してみました。

 時間的な余裕がないので、作品を仕上げるほどの徹底的な検証はしていませんが…。

 

番手は同じ#30 ですが、だいぶ太く感じます。もっとも、違うメーカーの違う製品で番手はあまり関係ないのですが。

0.29mm、ということなので、ワイヤー自体の太さはやや細めなくらいです。鉄は硬いイメージでしたが、ずいぶん柔らかく、弾力もないように感じます。紙を巻いている分しっかりしていますが…。

0.45mmと記載しているものもあるので、紙を巻いた太さはこちらでしょう。約1,5倍です。感覚的にもそんな感じです。

 

1本2本だと、それほど差が出ませんが、束ねれば束ねるほど差は大きくなります。

すずらんのように短いワイヤーを付けた花を束ねてまとめていく作りだと、茎がだいぶ太くなってしまいそうです。ステンレス製ワイヤーでもだいぶ太く感じたので…。茎が太すぎると植物の華奢な感じがなくなるので、重ねる部分を少なくして切っていくしかないですが、重ねた部分があまり少ないと丈夫でなくなるので…。

いっそのこと長い一本のワイヤーで巻きながら花をつけていったほうがいいかもしれません。紙が剥がれてきそうですが…。

書籍では水仙を写真で説明していますが、すずらんは作って確かめることはしなかったのでは、という気がしています。

 

なぜ地巻きワイヤーのほうが普及しているのか、Chi・Chiには分からないのですが、(「造花といえば地巻きワイヤー」というようなイメージの問題かもしれません)地巻きワイヤーのいちばんの利点は糸が滑りにくい、ということかと思いました。

ステンレス製ワイヤーを使うときは、糸端を一緒に巻いて滑り止めにするのですが、滑り止めがなくても巻きやすいのです。

また、折り曲げるところなども、ステンレス製ワイヤーだと隙間ができないように重ねて巻く必要がありますが、地巻きワイヤーはあまり気にしなくて良いようです。

むしろ重ねて巻くと太くなってしまうので…。材料を変更するならその辺りも気にしなくてはならないところです。

 

しかし、いちばん気になったのは糊をかけたときのことです。

何度も書いていますように、糊をたっぷりと付けて手で形を整えることで、仕上がりに差が出るので、省くことはできない工程です。

紙を巻いたワイヤーに糊をかけるとどうなるのか…。ワイヤーのみで試してみたところ、思いのほか、紙が剥がれてくるようなことはなく、丈夫でした。

しかし、黄緑色のにじみが出てきました…。

刺しゅう糸のほうで吸い込むかは分かりませんが、色移りの可能性があるので…。どうしても地巻きワイヤーを使うなら、白いものを使用したほうがいいかもしれません。

 

いずれにしても、地巻きワイヤーを使う利点は、Chi・Chiにはあまり感じられませんでした。

錆びる心配もありませんし、Chi・Chiはこれからもステンレス製ワイヤーを使い続けると思います。

 

―― ※ ※ ※ ――

 

こちらの同意なく編集部の一存で材料を変更されてしまった上、校正の機会もなく間違いもそのままに出版されてしまった「刺しゅう糸で編む 美しい花図鑑」ですが、訂正サイトにお詫びと訂正が掲載されたようです。

わたしは同意していません。

問題が明るみになったあと、編集部長のかたからお詫びの言葉と訂正の提案をいただいたのですが、了承しませんでした。

メールでは「掲載の了承をいただけたら進行手順についてご相談したい」とあるのですが…。またしても反故にし、一方的に掲載されてしまいました。

そもそも、読者のかたがわざわざ調べてみなくては辿りつけないような訂正サイトにどれほど意味があるのかもわからないのですが、訂正箇所も材料の変更だけではないのです。

できれば写真も差し替えてほしいですし…。しかし、販売されてしまったものはもうどうしようもありません。

信用ならないところとこれ以上ていねいなやり取りを積み重ねられるとも思いませんし…。そう考えて了承しなかったのでした。それなのに…。どこまでも不誠実なところです。

 

訂正内容は、あくまでも「表記間違い」で押し通しています。

説明の写真などはどうする気なのか…。

メールで捨て台詞のように「編集部が手を加えたことはどこかに明記しておいてください」と申し上げたので、それは書いておいてくれたようですが…。「表記間違い」なのにどこに手を加えたと言うつもりなのか。矛盾にはすべて目を瞑って、問題が解決したことにしたいのでしょう。

読者のかたに対する責任など、まるで感じていないのですね。

 

同意もなく、校正もチェックもできなかった以上、「美しい花図鑑」に対してChi・Chiは責任を負いかねます、と再三申し上げています。

責任を負いかねるので、報酬も受け取ってはいません。

発注書は開封せず送り返したので、けっきょく額面も知らないままです。

書籍が発行された後に発注書が送られてくる、この辺りも作家と編集との不均衡を助長しているのかなという気もしています。いくらでも買い叩けるわけですし…。こちらには裁量権もありません。

他の作家さんがたが良しとしているのに、わたしひとり言い出すつもりはありませんが…。

このような形でのご依頼は二度と受けないつもりです。

 

 

ボランティアもいいところですが、読者のかたにはなにがしかの責任を感じるので…。このような形になりました。

けっきょくのところ、Chi・Chiが向き合うべきなのは作品であり、作品を好きになってくださるかたがたです。

間に入る人をどう選ぶのか、どう仕事として成り立たせればいいか…。また考えていかなくてはなりませんが…。

最近は美術展の出展ばかりで、懐に余裕がないので、なかなか困ったことです。さてどうしよう(´・ω・`)

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