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2021/06/07
「美しい花図鑑」原稿の公開
「刺しゅう糸で編む 美しい花図鑑」発売からだいぶ日が経ってしまいましたが…。原稿を公開いたします。
「花図鑑」レシピ提供の経緯につきましては、以前の記事でお話しさせていただいた通りです。
同意なく材料を変更していたことももちろんですが、今回は校正・チェックを一切させていただけなかったので、原稿と食い違っている部分、勘違いと思われる部分がそのままになっています。
また、材料を変更するならそれに伴って様々なところに変更点が出てくるはずですが、そのあたりもどうも中途半端なようです。
原稿はあくまで叩き台であり、編集されることが前提で、公開するようなものではないのですが…。
書籍のほうが不完全な以上、何かのご参考になれば、と思い、公開させていただくことにしました。
言い訳を少し。
どちらかといえば読者のかたにではなく、編集やスタッフのかたにお伝えするつもりで書いたものなので、省略も多く、確認されることが前提の分かりづらいものとなっております。
そもそも、編み図の書き方など習ったこともないので、見よう見まねでそれらしく書いただけですし…。
本来であればそれを伝わりやすいように書き直すのが編集のお仕事のはずなのですが、今回は機能しなかったので…。
元の原稿を公開したほうがまだマシなのでは、と思い。
ご質問などございましたら、どうぞお気軽にお問い合わせくださいませm(_ _)m
〇編みかた注意
刺しゅう糸の扱いかたや、編み図の表記、分かりにくい編み目記号などについて補足しています。
書いてありますように、最後の仕上げはアイロン用スプレー糊(アイロン用キーピング)をかけ、手で形を整えます。
仕上がりに差が出る大事な工程です。びしょびしょになるくらいまでかけるので…。紙を巻いたワイヤーをあまり使いたくないのはそのせいです(^ ^;)
書籍では吹きかけるだけとなっていますが、かけたあと、濡れた状態でしっかりと形を整えることできれいに仕上がります。
〇すずらん
葉っぱにワイヤーを付ける工程が、水仙、こでまりにも出てきますが、全部同じなのでここでしか説明していません。
省略できるところは省略しようと思い…。すずらん参照としています(; ´∀`)
作り目のくさりの裏山を編み残し、とじ針を使ってワイヤーと巻き付けていきます。
「野の花コサージュ」と同じ作りかたですが、編みはじめの糸端を残して使っています(糸端の始末が減ります)。
最初に折ったワイヤーの間に通すことになっていますが、そうしないと巻いた後でワイヤーを引っ張ると抜けてしまうからです。書籍では一目ごとに間に挟んでいるような図になっていますが、なぜそうしているのかは分かりません。
〇水仙
白いほうは日本水仙、黄いろいほうはガーデンジャイアントのつもりです。
ガーデンジャイアントの大きな花びらを編むために、とてもややこしい編みかたをしています。最初の編みかた注意のページで詳しく説明していますが、Y字編みと2目一度を組み合わせたような編みかたです。
〇花桃
花びらが丸まりがちなので、仕上げの糊は特に重要です。
葉っぱは糸端をわに通して固定するだけになっていますが、巻きが緩いと緩んでしまうので、縫い付けたほうが丈夫になるかもしれません。
〇こでまり
おしべは花桃と同じです。書籍の写真説明では一回巻きの玉結びを2つ作っていますが、図の通り2回巻きの玉結びです。
頭になる糸(235)を針に通して作ったほうが作りやすいかもしれません。
―― ※ ※ ※ ――
今回、「他の作家さんがたとの兼ね合い」ということで、同意もなくステンレス製カラーワイヤーがフラワー用ワイヤーに変更されてしまったわけですが…。
実際、他の作家さんがたはフラワー用地巻きワイヤーを使っているようなので、そちらのほうが一般的な材料なのかもしれません。
Chi・Chiはふだん地巻きワイヤーを使いませんが、食わず嫌いも良くないので、#30 の地巻きワイヤーを買ってきて検証してみました。
時間的な余裕がないので、作品を仕上げるほどの徹底的な検証はしていませんが…。
番手は同じ#30 ですが、だいぶ太く感じます。もっとも、違うメーカーの違う製品で番手はあまり関係ないのですが。
0.29mm、ということなので、ワイヤー自体の太さはやや細めなくらいです。鉄は硬いイメージでしたが、ずいぶん柔らかく、弾力もないように感じます。紙を巻いている分しっかりしていますが…。
0.45mmと記載しているものもあるので、紙を巻いた太さはこちらでしょう。約1,5倍です。感覚的にもそんな感じです。
1本2本だと、それほど差が出ませんが、束ねれば束ねるほど差は大きくなります。
すずらんのように短いワイヤーを付けた花を束ねてまとめていく作りだと、茎がだいぶ太くなってしまいそうです。ステンレス製ワイヤーでもだいぶ太く感じたので…。茎が太すぎると植物の華奢な感じがなくなるので、重ねる部分を少なくして切っていくしかないですが、重ねた部分があまり少ないと丈夫でなくなるので…。
いっそのこと長い一本のワイヤーで巻きながら花をつけていったほうがいいかもしれません。紙が剥がれてきそうですが…。
書籍では水仙を写真で説明していますが、すずらんは作って確かめることはしなかったのでは、という気がしています。
なぜ地巻きワイヤーのほうが普及しているのか、Chi・Chiには分からないのですが、(「造花といえば地巻きワイヤー」というようなイメージの問題かもしれません)地巻きワイヤーのいちばんの利点は糸が滑りにくい、ということかと思いました。
ステンレス製ワイヤーを使うときは、糸端を一緒に巻いて滑り止めにするのですが、滑り止めがなくても巻きやすいのです。
また、折り曲げるところなども、ステンレス製ワイヤーだと隙間ができないように重ねて巻く必要がありますが、地巻きワイヤーはあまり気にしなくて良いようです。
むしろ重ねて巻くと太くなってしまうので…。材料を変更するならその辺りも気にしなくてはならないところです。
しかし、いちばん気になったのは糊をかけたときのことです。
何度も書いていますように、糊をたっぷりと付けて手で形を整えることで、仕上がりに差が出るので、省くことはできない工程です。
紙を巻いたワイヤーに糊をかけるとどうなるのか…。ワイヤーのみで試してみたところ、思いのほか、紙が剥がれてくるようなことはなく、丈夫でした。
しかし、黄緑色のにじみが出てきました…。
刺しゅう糸のほうで吸い込むかは分かりませんが、色移りの可能性があるので…。どうしても地巻きワイヤーを使うなら、白いものを使用したほうがいいかもしれません。
いずれにしても、地巻きワイヤーを使う利点は、Chi・Chiにはあまり感じられませんでした。
錆びる心配もありませんし、Chi・Chiはこれからもステンレス製ワイヤーを使い続けると思います。
―― ※ ※ ※ ――
こちらの同意なく編集部の一存で材料を変更されてしまった上、校正の機会もなく間違いもそのままに出版されてしまった「刺しゅう糸で編む 美しい花図鑑」ですが、訂正サイトにお詫びと訂正が掲載されたようです。
わたしは同意していません。
問題が明るみになったあと、編集部長のかたからお詫びの言葉と訂正の提案をいただいたのですが、了承しませんでした。
メールでは「掲載の了承をいただけたら進行手順についてご相談したい」とあるのですが…。またしても反故にし、一方的に掲載されてしまいました。
そもそも、読者のかたがわざわざ調べてみなくては辿りつけないような訂正サイトにどれほど意味があるのかもわからないのですが、訂正箇所も材料の変更だけではないのです。
できれば写真も差し替えてほしいですし…。しかし、販売されてしまったものはもうどうしようもありません。
信用ならないところとこれ以上ていねいなやり取りを積み重ねられるとも思いませんし…。そう考えて了承しなかったのでした。それなのに…。どこまでも不誠実なところです。
訂正内容は、あくまでも「表記間違い」で押し通しています。
説明の写真などはどうする気なのか…。
メールで捨て台詞のように「編集部が手を加えたことはどこかに明記しておいてください」と申し上げたので、それは書いておいてくれたようですが…。「表記間違い」なのにどこに手を加えたと言うつもりなのか。矛盾にはすべて目を瞑って、問題が解決したことにしたいのでしょう。
読者のかたに対する責任など、まるで感じていないのですね。
同意もなく、校正もチェックもできなかった以上、「美しい花図鑑」に対してChi・Chiは責任を負いかねます、と再三申し上げています。
責任を負いかねるので、報酬も受け取ってはいません。
発注書は開封せず送り返したので、けっきょく額面も知らないままです。
書籍が発行された後に発注書が送られてくる、この辺りも作家と編集との不均衡を助長しているのかなという気もしています。いくらでも買い叩けるわけですし…。こちらには裁量権もありません。
他の作家さんがたが良しとしているのに、わたしひとり言い出すつもりはありませんが…。
このような形でのご依頼は二度と受けないつもりです。
ボランティアもいいところですが、読者のかたにはなにがしかの責任を感じるので…。このような形になりました。
けっきょくのところ、Chi・Chiが向き合うべきなのは作品であり、作品を好きになってくださるかたがたです。
間に入る人をどう選ぶのか、どう仕事として成り立たせればいいか…。また考えていかなくてはなりませんが…。
最近は美術展の出展ばかりで、懐に余裕がないので、なかなか困ったことです。さてどうしよう(´・ω・`)