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2021/11/27
藝展出展作品「西への憧れ」できあがりました
このところしばらく取り組んでいた、第三回藝展出展作品「西への憧れ」がついにできあがりました(*^ ^*)
藝展は、京都清水寺の大講堂1階の円通殿にて、12月7日~9日の3日間開催されます。
短い期間ですが、ご都合がよろしければぜひ、ご覧にいらしてくださいませm(_ _)m
今回は、お寺での展示ということで、なんとなく意識したものを作りたいと思い、蓮池をモチーフにした作品を制作したのでした。
蓮は、泥の中から抜きん出て咲く清らかな姿をお釈迦さまに例えることもあり、仏教とかかわりの深い花です。
重なり合った大きな花びらがはなやかで、つぶつぶの花芯も面白く、いつか作りたい花だったのでした。
こうして仏教的なものを意識した作品なので、タイトルの「西」も十万億土の彼方の地、西方浄土のことかと言えば、じつはそういうわけでもなくて。
蓮池も、地面の部分に植わっている花々も、一昨年の冬、出展で訪れた台湾で目にしたものをモチーフにしているのです。
日本を出たのが初めての経験だったので、気候や風土の違いが新鮮で、異国情緒を強く感じたのでした。
気候が違うと生えているものも違い、同じ草花でも、日本では夏の花があちらでは秋冬の花…といった具合で、その違いがとても面白かったのです。
12月だったのに緑豊かで、色鮮やかな花も多く、一年を通して気候が温暖だというのもいいものだなあ、と思ったのでした。
その思いを込めたタイトルなのです(^ ^;)
しかし考えてみれば、仏教も日本より温暖なインドが発祥の地ですし、仏教とともに入ってきた風物もありますので、その時代に仏教を学んだ人々は、真理を追い求めただけでなく異国の風に憧れもしたのではないかな…とも思います。
とは言っても、南国ではないので、12月の気温ではさすがに蓮は見頃ではなかったのでした。
台北植物園の広大な蓮池では、まだ青々とした葉っぱが一面に広がっていて、花盛りのときはどんなに見事だったろうと思わされたものでした。
それで、池一面に咲く蓮をいつか作ってみたい…と思っていたので、今回はとても良い機会だったのです。
ログウッドと苅安で染めた、青緑色の池に、茜で染めた柔らかなピンクの蓮、白い蓮が咲き乱れています。
池の向こうは盛り上がった地面になっていて、山芙蓉の花が花盛りです。
タイワンフヨウというのでしょうか、これも台北植物園で見たものですが、薄紅色の大きな花が咲き乱れてとてもきれいだったのです。つぼみや開きかけた花は色がちょっと濃いところもまた美しくて。
この花を作ってみたい、できれば一枝だけじゃなく花盛りの樹をそのまま作りたい…と思ったので、これも良い機会だったのでした。
蓮の葉っぱには蛙が座っています(*^ ^*)
アマガエルのつもりでしたが、蓮の花と比べるとヒキガエルくらいのサイズですね(; ゚∀゚)
裏側に回らないと良く見えませんが、蜘蛛の巣がかかっていて、大きな蜘蛛がいます。
特に何蜘蛛とも決めず、蜘蛛らしい蜘蛛のつもりで作りました。…ほんとうは、蜘蛛が嫌いなので、詳しく調べるのが苦痛で諦めたのです(^ ^;)
なのになぜ作ったかと言えば、芥川龍之介のせいで蓮池には蜘蛛がいて欲しいような気がしてしまい、つい。
お釈迦さまの蓮池にいる蜘蛛は草食のかわいらしい蜘蛛なのかもしれませんが…。浄土ではなく現世の風景なので、まあ。
蛙も捕食者ですね。そう考えると、御仏の教えからは遠のくような気もしますが、山川草木悉有仏性、とも言いますので現世であっても浄土であっても変わりないような気もします。
日に日に冬に近づいてはおりますが、12月はじめの京都はまだ紅葉も残っているかと思います。
油断大敵ではありますが、状況も落ち着いているようですし…。
よろしければ、ぜひいらしてくださいませ(*^ ^*)